新事業進出補助金とは
新事業進出補助金とは、企業の成⻑・拡⼤を通した⽣産性向上や賃上げを促すために、中⼩企業等が⾏う既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資(建物構築費を含む)等を支援する大型補助金です。
①事業目的
・⼈⼿不⾜や賃上げといった昨今の経済社会の変化の中で、中⼩企業等が成⻑する 過程においては、既存事業の拡⼤に加え、新たな事業の柱となる新事業への挑戦が 重要となっています。
・既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・⾼付加価値事業 への進出を後押しすることで、中⼩企業等が企業規模の拡⼤・付加価値向上を通じた⽣産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを⽬的としています。
【活用イメージ】
・機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦
・医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出
②対象企業
・企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等
③補助率等
・補助率は2分の1で、補助上限は下記のとおり、従業員規模により段階的に引き上げられます。
① 従業員数20人以下 2,500万円(3,000万円)
② 従業員数21~50人 4,000万円(5,000万円)
③ 従業員数51~100人 5,500万円(7,000万円)
④ 従業員数101人以上 7,000万円(9,000万円)
※補助下限750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+ 6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)
④要件
・中小企業等が、企業の成長・拡大に向けた新規事業(※)への挑戦を行い、(※事業者にとって新製品、または新サービスを、新規顧客に提供する新たな挑戦であること)
①付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における 最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円 以上の水準
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等
の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むこと。
⑤対象経費
・建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド サービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費
⑥申請から補助金支払までの流れ
- STEP1:申請受付開始→公募締切→審査交付候補者決定
- STEP2:交付申請→決定補助事業開始
- 交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)が事業実施期間です。
- STEP3:確定検査→補助額の確定→補助金の請求→補助金の支払い
- 中小企業基盤整備機構を通じて補助されます。
⑦終了後の義務
・事業化状況報告 知的財産等報告が求められますが、収益納付は求められません。
・基本要件②、③が未達の場合、未達成率に応じて補助金返還を求められます。ただし、付加 価値が増加してないかつ企業全体として営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の 責めに帰さない理由がある場合は返還を免除されます。
⑧スケジュール
・2025年度~2026年度の2年間で計4回公募があり、予算は約1500億円で約6000社の支援が予定されています(1件平均2500万円)。
・よって、1回当たり1500社の採択が予定されていますが、経済産業省によれば、毎回1万社程度の応募を見込んでおり、これを前提とすれば、採択率は15%となり、この制度の前身であるとされる事業再構築補助金の採択率(当初44~50%、最近でも25%程度)に比べ、狭き門になると予想されます。