<2026年4月に内容を改訂しました>New

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組みを実施した事業主に対して助成するものです。
年収の壁・支援に対応するため、2023年10月から<社会保険適用時処遇コース>が新設されましたが(参考:ブログNo.42:年収の壁・支援強化のための助成金が新設されます。)、130万円の壁(※配偶者の扶養から外れて本人が社会保険に加入することになる壁)に対応するため2025年7月に新設された<短時間労働者労働時間延長支援コース>に、2026年度から一本化されました。

①助成金の趣旨

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者に対し、
<正社員化コース>
<賃金規定改定コース>
<賞与・退職金改定コース>
<短時間労働者時間延長コース>

などで、正社員化、処遇改善の取組みを支援します。

②対象企業

・雇用保険被保険者を雇用する中小企業、及び大企業(助成額は中小企業の3/4になります。)の事業主。

よくあるご質問2-1:厚労省の助成金における中小企業とは

中小企業の範囲は、イ.または、ロ.を満たすことが求められます。

イ.資本金の額・出資の総額ロ.常時雇用する労働者数
小売業(飲食店を含む)5000万円以下50人以下
サービス業5000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下
常時雇用する労働者とは、2か月を超えて使用されるものであり、かつ、週当たりの所定労働時間が、当該事業主に雇用される通常労働者と概ね同等(概ね40時間)である者をいいます。

但し、人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)における中小企業の範囲は、経済産業省の補助金における中小企業の範囲と同一となります。

よくあるご質問1-8:経済産業省の補助金における中小企業の範囲とは

以下のどちらかを満たすことが対象です。

資本金額従業員数
製造業・ソフトウェア業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5000万円以下100人以下
小売業5000万円以下50人以下
ゴム製品製造業3億円以下900人以下
旅館業5000万円以下200人以下
・ソフトウェア業、ゴム製品製造業、旅館業が、厚生労働省の中小企業の定義と少し異なっています。

③助成金額の例

<正社員化コース>
・有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換又は直接雇用した場合に助成されます。
・23年11月29日以降に正社員化した場合は、支給対象期間が6か月(1期)から12か月(2期)へと、助成の拡充が行われました(1期の場合は半額)
また、対象となる有期労働者の雇用期間を現行の「6か月以上3年以内」から「6か月以上」に緩和されました。

中小企業(注1)大企業(注1)
①有期→正社員:一人当たり80万円60万円
②無期→正社員:一人当たり40万円30万円
生産性要件を満たした場合の割り増しは、23年3月31日で終了となりました。

(注1)上記金額は、以下のいずれかの要件を満たす重点支援対象者の場合です。それ以外の場合は半額となります。2026年度から対象が拡大しています。
(a)雇入れから3年以上の有期雇用労働者
(b)雇入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者 ①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が1年以下 ②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
(c)派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定訓練修了者
<加算額>
(1)勤務地限定・職務限定・短時間正社員のいずれか一つの多様な正社員制度を新たに規定し、有期労働者を当該雇用区分に転換した場合:40万円(1事業所当たり1回のみです。大企業は、30万円)
(2)正社員転換制度を新たに規定し、当該区分に転換等した場合:20万円(1事業所当たり1回のみです。大企業15万円)

<賃金規定等改定コース>(3%以上増額改定、1事業所年1回のみ)
・有期雇用労働者の基本給を賃金規定等の3%以上の増額改定を行い、昇給した場合に助成されます。
①3%以上4%未満:1人当たり4万円(大企業2.6万円)
②4%以上5%未満:1人当たり5万円(大企業3.3万円)
③5%以上6%未満:1人当たり6.5万円(大企業4.3万円)
④6%以上:1人当たり7万円(大企業4.6万円)

職務評価手法の活用により増額改定した場合(1回のみ):
1事業所当たり 20万円(中小企業)
1事業所当たり 15万円(大企業)

有期雇用労働者等の昇給制度を新たに設けた場合:
1事業所当たり 20万円(中小企業)
1事業所当たり 15万円(大企業)

<賃金規定等共通化コース>
・有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金既定等を新たに規定・適用した場合に助成されます。
・1事業者当たり60万円(大企業の場合45万円)

<賞与・退職金制度導入コース>
・有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し、支給又は積み立てを実施した場合に助成されます。
・1事業者当たり40万円(大企業の場合30万円)
・同時に導入した場合の加算:1事業所当たり16.8万円(大企業の場合12.6万円)

<短時間労働者労働時間延長支援コース>
・130万円の壁(配偶者の扶養から外れて本人が社会保険に加入することなる壁)に対応するために、被用者保険への加入に伴い、2カ月以内に短時間労働者の収入を増加させる取り組み(賃金増加や労働時間延長)を行う事業主に対し、労働者一人当たり75万円を支援するものです。
・「130万円の壁」を超えるには、「103万円の壁」に比べて、社会保険料負担がさらに増加することから、労働者が収入を増加させるための労働時間の延長幅や、必要となる賃金増加の幅も、より大きくなります。
・さらに、長期の職場定着とさらなるキャリアアップを図るため、2年目に労働時間の延長または処遇改善措置(基本給をさらに5%以上増加または昇給、賞与、退職金の適用)を実施する場合も助成対象となります。
・支給申請の上限人数は設定されていません。
・<短時間労働者労働時間延長コース>は当分の間の暫定措置とされる予定です。

1年目
要件助成額
週所定労働時間の延長賃金増加小規模企業
(30人以下)
中小企業大企業
5時間以上-50万円40万円  30万円
4時間以上5時間未満5%以上
3時間以上4時間未満10%以上
2時間以上3時間未満15%以上

・複数年度にかけて上記要件を満たす場合も助成対象です。

2年目
要件助成額
小規模企業(30人以下)中小企業大企業
①週所定労働時間をさらに2時間延長
または
②基本給をさらに5%以上増加または昇給、賞与、退職金の適用
25万円 20万円 15万円

<短時間労働者労働時間延長支援コース>の対象となる類型は、以下の3つの状況下で働く労働者が想定されます。
第3号被保険者の類型事業主の対応
①被保険者数50人超の企業に週20時間未満で働く年収106万円超130万円未満の労働者労働時間の延長等により週20時間以上とし、被用者保険に加入させた事業主に助成
②被保険者数50人以下の企業で被用者保険に加入していない労働者労働時間の延長等により週30時間以上とし、被用者保険に加入させた事業主に助成
③被用者保険非適用事業所(農林水産業、理美容・飲食店等非適用業種の個人経営の事業所、または、製造業、運送業などの適用16業種であっても常時使用する従業員が5人未満の個人経営の事業所)で働く労働者労使合意により任意適用事業所となり、週所定労働時間20時間以上かつ所定内賃金が月額8.8万円以上として、被用者保険に加入させた事業主に助成

④要件

・助成金額に違いがありますが、大企業も対象になります。
・雇用保険の対象事務所で、保険料の滞納がないこと、会社都合の解雇がないこと、過去5年間に不正受給や、労働法違反がないことなどが求められます。
・特に、未払い残業がないことが、賃金台帳・雇用契約書などからチェックされます。

⑤手続き

<受給までの流れ>

・先ず、キャリアアップ計画(3~5年)を策定し、労働局又はハローワークの認定を受け、就業規則等を改定します。
・次に、その計画に基づき、6か月以上雇用していた有期雇用労働者等に対し、正社員転換や賃金アップ(手当支給や労働時間の延長を含む)等を行います。
・そして、アップした賃金などを6か月間支払った後に、2か月以内に支給申請を行い、支給決定の後、助成金が振り込まれます(キャリアアップ計画策定から入金まで1年半から2年近くかかるのが通例のようです)。

ブログNo.9:キャリアアップ助成金の活用のポイント
ブログNo.10:キャリアアップ助成金の22年4月からの改正のポイント
ブログNo.11:キャリアアップ助成金の過去の採択データ

ブログNo.23:健康保険法・厚生年期保険法2022年度法改正(10月施行分)の主なポイント(2022年5月1日)
ブログNo.30:2022年度補正予算で、キャリアアップ助成金の正社員化コース及び賃金改定コースが拡充されました。
ブログNo.42:年収の壁・支援強化のための助成金が新設されます

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