ブログNo.43:令和5年度補正予算が成立し、経済産業省の令和6年の補助金の方向が決まりました。
11月29日に、令和5年補正予算が成立し、令和6年の持続化補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金などの方向が決まりました。
1.持続化補助金
持続化補助金は、現在、第14回公募受付が、12月12日締め切りで行われていますが、2024年も以下のとおりの前年同様の枠組みで行われるようです。予算規模も同様のようですので、年4回の公募で、第15回は2月下旬締め切りとなると予想されます。
詳しくは、年末にも新たな公募要綱が発表になると考えられます。
類型 | 通常枠 | 特別枠 | |||
賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 | ||
補助率 | 2/3 | 2/3(赤字企業は3/4) | 2/3 | ||
補助上限 | 50万円 | 200万円 | |||
インボイス特例 | 50万円 インボイス特例の要件を満たす場合は、上記補助上限額に50万円を上乗せ |
2.ものづくり補助金
ものづくり補助金は、11月7日に第16次公募が締切られたところですが、2024年17次公募以降においては、補助上限が8000万円に引き上げられる「省力化(オーダーメード)枠」が設けられるようです。
これは、事業再構築補助金の再編で新設される、「中小企業省力化投資補助事業」が、カタログで指定された機器の小型の補助事業(上限は従業員規模により300万から1500万円)となるため、中規模の省力化投資までカバーしようとするものと考えられます。
また、グリーン枠の類型も整理されて、デジタル枠と合体され、「製品・サービス高付加価値枠」の「成長分野進出類型」となりますが、補助率は2/3が維持されるようです。
大幅賃上げによる補助上限の引き上げの特例も維持されます。
2024年も、年3~4回の公募があると考えられますが、詳しくは、年末に新たな公募要綱が発表になると考えられます。
申請類型 | 補助上限 | 補助率 | |
①省力化(オーダーメード枠) | 従業員規模により750万円~8000万円(大幅賃上特例により1000万~1億円) | 中小:1/2 小規模・再生事業者:2/3 1500万までは1/2、1500万超の部分は1/3 | |
②製品・サービス高付加価値化枠 | 通常類型 | 従業員規模により750万円~1250万円(大幅賃上特例により850万~2250万円) | 中小:1/2 小規模・再生事業者:2/3 新型コロナ加速化特例:2/3 |
成長分野進出類型(DX,GX) | 従業員規模により1000万円~2500万円(大幅賃上特例により1100万~3500万円) | 2/3 | |
③グローバル枠 | 3000万円(大幅賃上特例により4000万円) | 中小:1/2 小規模:2/3 | |
大幅賃上げ特例:補助事業終了後、3~5年で大幅賃上げに取組む事業者に対し、補助上限額を100万~2000万円上乗せする。 |
3.事業再構築補助金
コロナ禍の事業転換を支援してきた事業再構築補助金は、11月の秋の行政事業レビューで、大幅に見直しされることになりました。
従来の事業再構築補助金は、経済構造の転換に調整する事業者、コロナ債務を抱える事業者等に支援先が重点化されます。
一方、この予算枠を活用して、次の「中小企業省力化投資事業」が2024年からスタートします。
4.「中小企業省力化投資事業」
この補助金は、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性のある省力化投資を促進するものです。
補正予算として1000億円計上されていますが、事業再構築補助金の基金の活用により、5000億円の規模が用意されており、多くの採択が予想されます。
詳しくは、今後、公募要綱が公表される見込みですが、先ず、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の「カタログ」が設定されますので、個々の事業者の応募は、4月以降になるのではないかと考えられます。
従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
5名以下 | 200万円(300万円) | 1/2 |
6~20名 | 500万円(750万円) | |
21名以上 | 1000万円(1500万円) |
その他、この補助金とは別枠で、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模投資補助金」として、令和5年補正予算として1000億円、国庫債務負担行為(後年度負担)を含め総額3000億円が計上されています。
現在、12月20日締め切りで、補助金を交付する事業者自体を公募している段階で、当該事業者に10億円から50億円の定額補助を行い、そこから中堅・中小企業の大規模投資に対して1/3を補助するもので、地域ぐるみでの持続的賃上げを実現しようとするもののようです。
年末から年明けにかけてその詳細が明らかになるものと考えられます。