ブログNo.28:2022年補正予算で、ゼロゼロ融資の返済に対応した、新たな借換保証制度がスタートします。

ゼロゼロ(無利子・無担保)融資は、コロナ禍で売上高が落ち込んだ中小企業を支援するため、金融機関が融資する制度です。本来なら借り手が支払う利子を国が3年間負担し、返済できない場合の保証もある制度です。2020年3月に政府系金融機関で始まり、同年5月には、膨大な窓口件数に対応するため、民間金融機関も受け皿となりました。民間は2021年3月、政府系は2022年9月で受け付けを終えていますが、今年8月末時点の融資実績は政府系・民間金融機関を合わせて約243万件、約43兆円に上っています。

中小企業庁によりますと、2021年3月までに日本政策金融公庫のコロナ関連融資を受けた企業の60.5%(2022年6月末時点)は元金を返済中で、返済開始時期のピークは2022年6月に過ぎており、今後は低い水準で推移する見通しとなっています。

一方、民間のコロナ関連融資の本格的な返済開始時期は、2023年7月から2024年4月の間に集中するとみられます。コロナ禍の長期化に加え、円安や物価高の影響で厳しい経営環境が続いている中、借換需要の急増が予想されています。今回の新たな借換制度はこれに対応するものです。

新たな借換制度のポイントは、下表のとおりで、保証限度額が、ゼロゼロ融資の6000万円より大きい1億円なので、事業再構築補助金などの裏負担の捻出も可能であり、前向き投資にも取り組めます。また、借換えしてから新らたに据置期間が5年間なので、ゼロゼロ融資の据置期間が満了しようとしている事業者にとっても、元本返済が抑えられるというメリットがあります。

但し、あくまで、将来の返済可能性を客観的に説明するための経営計画の策定を金融機関と共に行うこととがポイントとなります。
よって、利用を検討されている事業者は、ゼロゼロ融資を受けている地域金融機関や当該機関と連携している認定支援機関と早めにご相談されることをお勧めします。

保証限度額1億円
保証期間10年以内
据置期間5年以内
金利金融機関の所定金利
保証料(事業者負担)0.2%など(補助前は0.85%)
要件売上高または利益率の一定程度の減少など
経営計画の作成
金融機関の伴走的支援
その他100%保証の融資は100%保証での借換が可能

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