ブログNo.33:最近のものづくり補助金の申請・採択状況

23年1月から、第14次のものづくり補助金の公募が始まりましたが、第13次までの採択状況のデータが公表されていますので、その分析を行ってみました。

1.採択率
―近年、60%前後で安定―

ブログNo4に第1次(採択発表20年4月28日)から第12次(同22年12月16日)までの採択率一覧を掲載していますが、全体で約50%の採択率ですが、近年は60%程度で安定してきています。

2.業種別申請・採択比率
―製造業が圧倒的多く、採択率も高い

採択率が60%程度で安定している、第9次から12次までの申請シェアを業種別でみると、製造業が圧倒的多く43.6%で、採択率も69.6%と最も高くなっており、その他の業種は、建設業(順に7.7%、58.8%)、情報通信業(8.3%、51.9%)、卸・小売(7.4%、43.2%)、学術研究・専門技術サービス業(6.9%、63.0%)、医療福祉(9.8%、56.9%)、サービス業(5.4%、52.6%)、その他(10.9%、41.1%)となっています。

3.従業員規模別申請・採択状況
―5人以下の事業者の申請も活発だが、採択率はやや低い

同じく、第9次から12次までの申請シェアを規模別でみると、従業員5人以下の事業者が43.2%、同6-20人が33,4%、同21人以上が23.5%と、小規模事業者の活発な申請が伺えます。
一方、従業員規模別採択率は、5人以下が47.2%、6-20人が65.9%、21人以上が70.3%となっています。

4.補助金申請額別請・採択状況
―500万超1000万円以内の申請額の申請が多く、申請額が大きいほど採択率は高くなっている

申請額250万円以下の申請は5.8%と少なく、採択率も30.7%と低くなっている一方、以下、申請額500万以下で、申請者シェア14.4%、採択率46.8%、750万以下で32.0%、57.1%、000万以下で34.9%、67.1%、1000万超で12.9%、71.1%となっています。
なお、14次公募以降は、上限額が大きく引き上げられています。

5.認定支援機関などの支援者の関与別採択率
―申請者の1/3は支援なしで申請している(採択率は47.9%)一方、支援がある場合は、採択率は10-20ポイント高くなる

支援者の有無・その報酬(補助金額に対する比率)で、申請数・採択率を見ると、「支援なし」の申請シェアは33.5%、採択率47.9%となっており、支援がある場合は、報酬別の採択率は、「報酬なし」で57.1%、「報酬~5%」で61.1%、「報酬~10%」で67.9%、「報酬~15%」で67.7%、「報酬それ以上」で59.5%となっています。

6.事業計画書の作成時間と採択率の関係
―30時間超・70時間以内で作成している事業者の採択率が高くなっている

事業計画書の作成時間は、20時間から50時間以内の事業者の比率が多く、作成時間別採択率は、10時間以内;42.0%、20時間以内:50.2%、30時間以内:58.5%、40時間以内:68.8%、50時間以内:66.5%、70時間以内:59.4%、90時間以内:61.3%、120時間以内:59.7%となっています。

7.加点項目の数と採択率の関係
―加点項目については、2個の申請が多く、採択率を考えれば、できれば3個、最低1個あることが望ましい

加点項目数別申請シェアと採択率は、0個(シェア22.0%、採択率29.3%)、1個(以下同24.1%、48.1%)、2個(25.7%、65.5%)、3個(20.2%、79.5%)、4個(7.7%、81.7%)、5個以上(0.4%、80.0%)となっています。
14次公募以降、加点項目はさらに増えていますので、補助金申請前から、経営革新計画の承認や事業継続力強化計画の認定を取得し、これらが間に合わない場合は、できれば賃上げ加点の誓約書(ブログNo6参照)を用意できることが望ましいと考えられます。

関連ページ:
ものづくり補助金

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